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vol.13 形状記憶合金(Ni-Ti合金)の紹介

vol.13 形状記憶合金(Ni-Ti合金)の紹介

皆さんは形状記憶合金をご存じでしょうか?言葉は聞いたことあるけどよく知らないという方も多いのではないでしょうか。形状記憶合金は、一般的な金属にはないユニークな特性を有しており、非常に面白い材料です。今回のメルマガでは、形状記憶合金の特性を解説し、当社で取り扱っている形状記憶合金(Ni-Ti合金)の特徴についてご紹介いたします。

形状記憶合金とは

   形状記憶合金とは、「形状記憶効果」および「超弾性」の特性を有する合金です。「形状記憶効果」は、変形を受けた材料を加熱した際に、変形前の形状に回復する特性です。加熱することで相変態(マルテンサイト逆変態)を起こし、変形前の形状に戻ります。この形状回復が始まる温度を Af点と呼びます。一方、「超弾性」は、一般的な金属を凌駕する弾性回復量を有する特性を指す言葉です。「超弾性」は、 Af点が使用温度以下である際に起こり、変形を加えて、除荷した瞬間にマルテンサイト逆変態が生じることで、通常の弾性回復に加えて相変態による形状回復が生じるため、見かけの弾性回復量がとても大きくなる現象です。形状記憶合金は、上記の “変形前の形状 ”を熱処理によって記憶させることができ、様々な形状を与えることができます。

超弾性特性の曲げの様子の写真
超弾性特性(Ni-Tiワイヤー)

Ni-Ti合金の特徴

Ni-Ti合金は、ニッケルとチタンをおよそ同量含む合金で、形状記憶合金の代名詞と呼べる合金です。Ni-Ti合金は形状記憶合金の中ではダントツの弾性回復量を有しており、8%程度のひずみを与えても元の形状に戻ります。医療認証もとれている材料ですので、手術に用いられる医療器具はもちろんのこと、人体内へ留置するステントにも使われています。

Ni-Ti合金とSUS304の機械特性比較の表
Ni-Ti合金とSUS304の機械特性比較

Ni-Ti合金の加工技術

当社では、Ni-Ti合金のワイヤーや小径パイプ、板材を多数取り扱っております。これらNi-Ti合金の形状記憶処理はもちろん、レーザーカット加工などのより高度な加工や仕上げについても、気軽にご相談ください。

Ni-Tiワイヤーの写真
Ni-Tiワイヤーの形状記憶処理
(PTFEコーティング実施済み)
Ni-Tiパイプのレーザーカット技術の写真
Ni-Tiパイプのレーザーカット技術

「形状記憶合金(Ni-Ti合金)の紹介」のPDFはこちら

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