FC-180コート(薄膜フッ素樹脂コート)・高濃度アルカリ性水溶液を用いた繰り返し洗浄にも耐える!薄膜の防汚性表面処理コート!
FC-180コート(薄膜フッ素樹脂コート)
更新日:
特許取得
高濃度アルカリ性水溶液を用いた繰り返し洗浄にも耐える、薄膜の防汚性表面処理コートFC-180を開発しました。
金属の表面は水やアルコール、油等となじみやすい特徴を持っており、例えばその表面をアルコールで濡らした場合、液滴は表面に広がってしまいます。
ノズル内でアルコールをはじいている状態
FC-180コートは、金属表面にフッ素皮膜を形成して、ノズルや流路などの液切れ性向上や付着物を寄せ付けない効果が得られます。
無色透明の極めて薄い膜厚(1㎛未満)の撥水・撥油フッ素樹脂コートですので、現状の製品や部品寸法を変えることなく使用していただけます。ぜひ、独自開発のフッ素樹脂コート効果をご活用ください。
FC-180コートの特徴
FUTA・Q Technology
耐アルカリ性と撥水撥油性を同時に満足する1μm未満の薄膜コート
- ・被膜は1㎛未満で、寸法精度に影響しません。
- ・内径Φ0.3mm程度の内面にも、均一なコートが可能です。
- ・低温で焼成して被膜を焼成するため、ノズル等パイプの精密さを損ないません。
- ・無色透明、高密着性・高硬度の防汚性被膜を形成します。
- ・耐薬品性が高いので、繰り返し使用に向いています。
■ 特許取得済み:耐アルカリ性薄膜防汚被覆体 (特許第7247434号)
優れた耐アルカリ性を有している、無色透明の極めて薄い膜厚(1㎛未満)の撥水・撥油フッ素樹脂コートに関する特許
活用場面のご提案
- ・医療用や食品用など、次亜塩素酸ナトリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液などのようなアルカリ性の洗浄液や消毒液に対して耐久性がある防汚性を付与したい場合。
- ・機能や性能に対して重要な内径などの寸法への影響を最小限に抑えながら防汚性を付与したい場合。
耐薬品性評価
高濃度アルカリ性水溶液を用いた促進試験によって、繰り返し洗浄に対する耐久性を評価しました。
【評価方法】
①10%NaClOaqに試験片を浸し、超音波振動を与え、30分ごとに表面観察
②フッ素樹脂コートの厚みを、電子顕微鏡(SEM/EDS)を使用した元素分析から換算
【評価結果】
60~90分後の試験片に、撥水性の劣化や膜厚変化は見られませんでした。
10%NaClOaq-60min浸漬後の写真。
撥水性の劣化は、見られない。
10%NaClOaqに90分浸漬しても、FC-180コートの膜厚変化は、見られない。
FC-180コートの耐薬品性試験
耐薬品性試験を行ったサンプルをSEM-EDSで観察して評価を行いました。
コート膜は、アルカリや酸、有機溶剤に対して優れた耐久性を示しました。
〇:変化なし、△:~数μmの剥離を一部で観察、×:10μmを超える剥離を観察
※1: 塩素イオンによりステンレス合金の表面が浸食されていると推測しています。
※2: EDSを用いて検出したサンプル表面フッ素濃度(atm%)〔コート膜厚と相関があります。〕
※3: SEM(x500)を用いて観察しています。
薄膜フッ素樹脂コート「FC-180」の効果
デモンストレーション動画 (SUS304基盤)
イソプロピルアルコールをスプレー
(左)↓コートなし (右)↓FC-180をコート
FC-180コートを施した右半分は、左側のように噴霧したアルコールが表面にまとわりつかず、粒状になり、液切れが良いことがわかります。
牛乳に浸漬
(左)↓コートなし (右)↓FC-180をコート
FC-180コートを施した右半分は、左側のように牛乳が表面にまとわりつがず、さっと離れていき、液切れが良いことがわかります。
FC-180コートをノズル内部に施せば、撥水・撥油効果によりブロー等で簡単に内部液を除去でき、洗浄作業性向上とノズル内部のコンタミ軽減効果があります。
※ 詳細はメールまたはお電話にてお問合せください。
TEL 075-661-2931
FC-180コート(薄膜フッ素樹脂コート)についてよくある質問
- どういった用途で使われていますか?
- 医療や食品に関する分析用途など、アルカリ性溶液による消毒洗浄を行う部品に採用いただいています。
- どのようなケースでの引き合いが多いですか?
- 精密な寸法や形状に影響を及ぼすことなく、汚れの付着を防ぐ必要があるような場合です。
- 基材に対する保護性能やバリア性能はありますか?
- コート膜が極めて薄いことから、基材に対する保護性能やバリア性能はありません。
FC-180コート関連ページ
FC-180コートは、以下のような材料や製品などで採用いただいています。
SUSパイプ(ステンレス)
各種精密加工技術を組み合わせ、医療機器を中心に、分析機器、半導体関連、自動化装置等、様々な分野でご活用いただいております。また、各種SUSパイプを使用した数多くの製品をお取り扱いしております。
βチタンパイプ 竹のようなしなやかさ!?
軽量・高強度・高耐食性を兼ね備えた高機能素材のチタン。高強度のβチタン合金(ベータチタン)が採用されていますが、FUTA・Qでは独自技術により、このβチタンを形状安定化させたパイプ化に成功しました。
NiTiパイプ「Ni-Ti、ニチノール、ニッケルチタン」
特に医療器具に必要とされている復元力に優れています。NiTiパイプは接合が難しいという欠点もありますが、レーザー溶接、ロウ付け、カシメ、部品形状の組合せなどで対応することも可能です。