FC180コート(薄膜フッ素樹脂コート)
FC-180コート(薄膜フッ素樹脂コート)
高濃度アルカリ性水溶液を用いた繰り返し洗浄にも耐える、薄膜の防汚性表面処理コートFC-180を新開発しました。
金属の表面は水やアルコール、油等となじみやすい特徴を持っており、例えばその表面をアルコールで濡らした場合、液滴は表面に広がってしまいます。

ノズル内でアルコールをはじいている状態
FC-180コートは、金属表面にフッ素皮膜を形成して、ノズルや流路などの液切れ性向上や付着物を寄せ付けない効果が得られます。
無色透明の極めて薄い膜厚(1㎛未満)の撥水・撥油フッ素樹脂コートですので、現状の製品や部品寸法を変えることなく使用していただけます。ぜひ、新開発のフッ素樹脂コート効果をお試しください。
FC-180コートの特徴
- ・被膜は1㎛未満で、寸法精度に影響しません。
- ・内径Φ0.3mm程度の内面にも、均一なコートが可能です。
- ・低温で焼成して被膜を焼成するため、ノズル等パイプの精密さを損ないません。
- ・無色透明、高密着性・高硬度の防汚性被膜を形成します。
- ・耐薬品性が高いので、繰り返し使用に向いています。
耐薬品性評価
高濃度アルカリ性水溶液を用いた促進試験によって、繰り返し洗浄に対する耐久性を評価しました。
【評価方法】
①10%NaClOaqに試験片を浸し、超音波振動を与え、30分ごとに表面観察
②フッ素樹脂コートの厚みを、電子顕微鏡(SEM/EDS)を使用した元素分析から換算
【評価結果】
60~90分後の試験片に、撥水性の劣化や膜厚変化は見られませんでした。

10%NaClOaq-60min浸漬後の写真。
撥水性の劣化は、見られない。

10%NaClOaqに90分浸漬しても、FC-180コートの膜厚変化は、見られない。
FC-180コートの耐薬品性試験
〇:変化なし、△:~数μmの剥離を一部で観察、×:10μmを超える剥離を観察
※1: 塩素イオンによりステンレス合金の表面が浸食されていると推測しています。
※2: EDSを用いて検出したサンプル表面フッ素濃度(atm%)〔コート膜厚と相関があります。〕
※3: SEM(x500)を用いて観察しています。
薄膜フッ素樹脂コート「FC-180」の効果
デモンストレーション動画 (SUS304基盤)
イソプロピルアルコールをスプレー
(左)↓コートなし (右)↓FC-180をコート
FC-180コートを施した右半分は、左側のように噴霧したアルコールが表面にまとわりつかず、粒状になり、液切れが良いことがわかります。
牛乳に浸漬
(左)↓コートなし (右)↓FC-180をコート
FC-180コートを施した右半分は、左側のように牛乳が表面にまとわりつがず、さっと離れていき、液切れが良いことがわかります。
FC-180コートをノズル内部に施せば、撥水・撥油効果によりブロー等で簡単に内部液を除去でき、洗浄作業性向上とノズル内部のコンタミ軽減効果があります。
※ 詳細はメールまたはお電話にてお問合せください。
TEL 075-661-2931